会社探訪記

 地域に根差した企業を不定期で紹介します。

会社探訪記 木村工務店 統合で新たな成長目指す

2022年12月20日 10時00分

事業承継考え鈴木商会Gに

 木村工務店は、釧路市を拠点に建物や橋の解体業を営む。2021年に資源リサイクルの鈴木商会(本社・札幌)のグループ会社になり、解体工事から産業廃棄物処理まで一気通貫の事業スキームに加わることで、新たな成長を目指している。統合によるシナジー効果は出ていて、21年度の売上高は過去最高を塗り替えた。

新生・木村工務店の可能性について話す小野塚専務(左)と木村秀明取締役

 木村重信さんが1963年、はつり工事を主体に個人創業した。80年に「株式会社木村工務店」を設立し、解体工事や土木工事を本格的に請け負うようになる。93年に長男の勝馬さんが2代目社長に就任。最新の解体機を積極的に導入しながら、地域の大型工事を手掛ける。2017年に勝馬さんの長男・秀明さんが3代目に就く。

 「釧路を拠点に仕事をしてきたが、道東は人口も仕事も少なく、売り上げを伸ばすことは限界と感じ始めていた」と秀明さん。釧根地域は大型の解体工事が少なく、仮に1億円超の工事が発注されたとしても、域外の同業者が黒船のように攻めてきて価格競争に陥ることが多い。

 会社設立から40年が経過した20年、新たな成長を目指して札幌営業所を開設した。しかし「営業に回っても見積もり依頼すらもらえず、簡単にいかないことを実感した」と振り返る。

 単独での成長は難しいと考え、同業の解体会社を買収したり、大手企業の傘下に入ることなどを模索した。そんな中、M&A仲介会社を通じて鈴木商会のグループ会社になることを決断。秀明さんは当時50歳で事業承継を考える年齢としては若かったが、周囲に後継者がいないため「早かれ遅かれ直面する課題」と考えた。

 鈴木商会は、木村工務店の全株式を取得し完全子会社化した。秀明さんはトップの座を鈴木商会の駒谷僚社長に託し、取締役としてプレイングマネジャーに徹することを決めた。

 鈴木商会にとっては釧根地域に限定されるものの、解体業を手中に収めることで資源リサイクルの川上から川下まで統合でき、事業の親和性からメリットが大きい。木村工務店にとっても地域の解体需要がジリ貧にある中、大手資本の後ろ盾で人材や機械を中心に企業競争力を高めることができる。いわば相思相愛の統合だった。

 鈴木商会から出向する小野塚要専務は「〝真面目〟というのが第一印象だった。事務所はもちろん、現場やバックヤードがきれいに整理整頓され、誠実な仕事をしていることが表れていた」と振り返る。

きれいに整頓された事務所やバックヤードが誠実な仕事を表す

 統合効果は既に出ていて、21年度の売上高は過去最高を更新した。22年度も企業のプラントや社宅の解体工事を請け負っていて、例年より2倍余りの売り上げを期待する。鈴木商会の持つ営業力は、木村工務店の解体業にも相乗効果として現れている。

 秀明さんは「従来の木村工務店は職人肌が強く、営業力の弱さは課題だった。先々の希望は明るい。早く決断して良かった」と話している。


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