おとなの養生訓

おとなの養生訓 第192回「グリコーゲン」 デンプン摂取、体に貯蔵

2020年09月28日 09時00分

 グリコーゲンをご存じでしょうか。動物の筋肉や肝臓にためられている炭水化物のことです。一方、植物にためられている炭水化物をデンプンといいます。これはご存じでしょう。植物では、穀物やイモなどに含まれています。これらは将来の子孫の発芽や成長に必要なエネルギーをデンプンとしてあらかじめため込んでいるわけです。

 対してグリコーゲンは目的が異なります。肝臓のグリコーゲンは、動物が空腹になった時に、全身にエネルギー供給を行うことに備えてためられています。筋肉内のグリコーゲンは、空腹時に筋肉のエネルギー源として消費されます。筋肉は空腹時に肝臓のグリコーゲンの恩恵を受けられないので、筋肉のグリコーゲンは筋肉専用となっているのです。グリコーゲンは「動物のいも」と表現できる存在なのです。

 実は、グリコーゲンとデンプンは、全く同じ成分から作られます。それは、グルコース(ブドウ糖)です。グルコースは細胞のエネルギー源として基本的かつ効果的なものです。このグルコース分子が数千から数万個も鎖のようにつながったのが、グリコーゲンやデンプンです。

 グリコーゲンとデンプンの違いは、大きさとわずかなつながり方の違いといわれています。このとてつもなく大きな分子から、必要に応じてグルコースを取り出して利用したり、逆に、グルコースを付け加えて貯蔵したりするという仕組みです。

 グリコーゲンは動物の肝臓で初めて発見され、重要なエネルギー物質として注目されました。そして牡蠣(かき)に豊富に含まれていることが分かり、かきエキスは人を元気にするともてはやされました。そこで、子供たちのためにかきエキス入りのキャラメルが作られ、グリコーゲンにちなんで「グリコ」と名付けられたそうです。私たちの年代では、グリコと聞くと元気を連想します。

 体にグリコーゲンをためるためには、必ずしもグリコーゲンを食べなければならないわけではありません。デンプンを食べても、グルコースとして吸収され、肝臓や筋肉でグリコーゲンとしてためられます。

 つまり、適切な量のデンプンを食べれば、グリコーゲン不足にはなりません。元気をつけるためにご飯もう一杯!とすると、余計な分はグリコーゲンにはならず、脂肪になりますのでお気を付けて。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 北海道水替事業協同組合
  • web企画
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (3,057)
BP新駅で大規模開発 高層MS、商業施設、ホテルな...
2022年06月29日 (2,604)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (2,206)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (1,744)
おとなの養生訓 第44回「肥満と発汗」 皮下脂肪が...
2014年04月25日 (1,400)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 激化する若者獲得競争
地方企業が取るべき
戦略は-new

激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-
若者獲得に向けた工夫とは。釧路市内の団体が開いたセミナーから、各回の講演概要を紹介する。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第234回「アセトアルデヒド」。二日酔いの原因物質で、顔の赤みや動悸、胃腸への刺激を引き起こします。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第21回「住宅の内装/色と素材感」。質感や柄から受ける印象も大切にしてコーディネートを進めたいものです。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第20回「能力向上へ適切な指導」正しいゴールの設定やフィードバック、成功体験が大切です。