新型コロナウイルスの感染が再び勢いを盛り返してきました。北海道各地でクラスター(集団感染)が発生しています。特に職場での発生事例が目につきます。リモートによる勤務も多くなっていると聞きますが、仕事の性質上、職場に集まって仕事をせざるを得ない場合が圧倒的に多いと感じています。クラスター発生を防ぐための感染対策をあらためて確認したいと思います。
まず、通勤時は公共交通機関を使ったり、混雑する道を歩いたりするので、マスク着用は必須と考えます。オフィスに着いたら、まず手洗いです。せっけんを使った丹念な手洗いがベストですが、アルコール消毒液も可能です。ただし、指先にすり付ける程度ではなく、指先から手背を含めた手全体に消毒液を行き渡らせるようにします。15秒はかけたいところです。退勤時も手洗いをしてください。
仕事前にパソコンやデスクも消毒しましょう。特にキーボードやマウスは汚染されやすいので念入りに。
仕事中もやはりマスクは外さないようにしましょう。仕事の会話もマスクをしたままで。お互いに飛沫(ひまつ)を飛ばさないようにするためです。マスクをしても声は十分聞こえます。ビニールシートやアクリル板の仕切りも効果的ですが、その際は時折消毒液で仕切りに付着した飛沫を拭き取り消毒してください。書類の受け渡しの際は、お互いの手が触れることがないように注意してください。
室内は換気をして、湿度が40―60%に維持するようにしてください。今後、暖房を使うことになります。乾燥気味になりやすいので注意が必要です。乾燥条件はウイルスを長生きさせるという報告があります。換気すると温度が下がり気味になりますが、これはやむを得ないと考えてください。
会議は特に密集、密閉、密接の三密状態になりやすいので、換気とマスク着用に心掛けてください。お茶はおのおので用意して、食器の共用は避けてください。湯飲みなどの受け渡しも控えてください。使い捨ての紙コップなどを使うのがベストです。オフィスで昼食を取る場合は、お互い十分な間隔を空けて食事をしてください。会話するときはマスクを着けてから。
感染拡大の緊急事態です。慎重な感染対策をお願いします。
(札医大医学部教授・當瀬規嗣)