会社探訪記

 地域に根差した企業を不定期で紹介します。

会社探訪記 変わる時代、不変の技術 セーコー

2020年11月26日 11時00分

経験とノウハウ、社会に生かす

 プリント事業を主軸に医療介護用品開発製造なども手掛けるセーコー(本社・札幌)は、時代の変化やニーズに合わせた製品を提案する。企画から設計、製作、施工、メンテナンスまで自社で展開できることや高い技術力が武器だ。

さまざまな素材に印刷できるシルクスクリーン印刷を得意とする

 1970年設立。社員数は14人で、札幌市西区に本社と併設工場を構える。プリント事業とサインの製作施工、医療介護用品開発製造の3本を事業の柱とする。

 企業としての出発点はプリント事業。Tシャツや帆前掛け、のぼりのプリントなどを請け負っている。

 さまざまなプリント方法に対応可能で、中でも「シルクスクリーン印刷」を得意とする。版の孔にインキを通して印刷。簡単にイメージするなら「プリントゴッコ」だという。アクリル板や布、木材、金属など多様な素材に印刷でき、素材を生かしたい場合に適している。

 この技術を活用して開発したのが「マットセンサー」。ベッドから降りた患者らがマットを踏むとナースコールで知らせる仕組みだ。

 三井尚子社長の父が創業。デジタルプリントなどに押され、シルクスクリーン印刷だけにこだわるのが難しくなったこともあり、自社が持つノウハウや技術を活用した医療介護用品開発製造などにも力を入れるようになった。

「世の中に受け入れられるものを製作したい」と話す三井社長

 三井社長は「急激でなくとも、徐々に少しずつ変わる姿勢は必要だと思う」と話す。最近ではコロナ禍を受け、避難所用の簡易パーティションや飛沫(ひまつ)感染防止に役立つ卓上ビニールシートなどを開発した。

 機械に頼らず手作業することも多いため、小ロット生産に対応でき、応用が利きやすい。ベテランぞろいで、豊富な経験に基づいた高い技術力を有している。

 サインでは、函館蔦屋書店の自立サインや札幌駅エスタ内の店内グラフィック、ニセコHANAZONOリゾートの屋外サインなどを手掛けた実績がある。おいしそうな飲食店の外観に見合ったサインかどうか、分かりやすい内部かなどを考慮して提案する。

 今後の会社としての目標に関して三井社長は「医療関係に幅を広げ、世の中に受け入れられるものを製作したい」と意気込む。

(北海道建設新聞2020年11月24日付3面より)


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