鉄のまちから技術発信

 製鉄、製鋼を中心とする室蘭港の産業基盤は、高度な技術力や研究開発力を持つ中小の製造業、建設業を集積させた。デジタル化の波など企業を取り巻く環境が変化する中、各社は技術開発や人材育成に積極的だ。室蘭テクノセンターは「ものづくり創出支援」や「デジタルトランスフォーメーション推進支援」でそれらの挑戦を資金面から後押ししている。

 各社の取り組みを紹介する。(室蘭支局 星野 貴俊記者)

鉄のまちから技術発信(5)電材重機 クレーン車ジブ脱着、動画で操作手順

2021年08月27日 12時00分

 クレーン揚重業として1972年に創業。製鉄、製鋼など室蘭港の産業基盤とともに成長してきた。今回、2事業で採択を受けている。

 一つはものづくり創出支援「人材育成支援事業(標準化支援)」で進めたクレーン車のジブ脱着作業マニュアル作成。社内ではオペレーター1人に1台のクレーンを割り当て、100台が常に稼働するが、メーカーで型式が異なりベテランでも自分が運転する以外のクレーンを操作する機会は少ない。

 現場で重要視される作業の一つが補助ジブの脱着だ。クレーンの付属アタッチメントで1tを超す重量物のため、操作を誤ると大事故につながる恐れがある。

 そこで、オペレーターが型式の異なるクレーンに乗った場合でも安全、確実に作業できるよう操作手順書をベースにした動画マニュアル制作を室蘭市内の業者に依頼。ユーチューブを使い、先月から社内で共有した。

完成した動画マニュアルについて説明する上村社長

 マニュアルは8種類。本社敷地内で撮影し、社内の誰もが知るオペレーターが出演する。女性のナレーションを加え、7分程度に編集。映像効果をふんだんに使い、若手から年配まで理解しやすい内容に努めた。

 安全に関わるだけにトップダウンで事業を進める上村正人社長は「オペレーターをけがさせないのが第一。将来的には全員が全てのクレーンにストレスなく乗れるようにしたい」と話す。

 もう一つは、デジタルトランスフォーメーション推進支援「IoT導入促進事業(IoT導入)」で取り組む、アプリケーション導入による作業日報のデジタル化だ。

 オペレーターが紙で提出し、本社で手作業による集計をしているが、専用のアプリケーションソフトを使ったシステムに切り替える。製作を札幌市内の業者に依頼した。

 月内にもノートパソコンやiPadで、文字入力がほとんど不要なインターフェースから日報を送り、データが自動集計される体制が整う。

 上村社長は「現場や各部署で負担となっている作業量を大幅に削減できる」と期待している。

(北海道建設新聞2021年8月6日付13面より)


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