鉄のまちから技術発信

 製鉄、製鋼を中心とする室蘭港の産業基盤は、高度な技術力や研究開発力を持つ中小の製造業、建設業を集積させた。デジタル化の波など企業を取り巻く環境が変化する中、各社は技術開発や人材育成に積極的だ。室蘭テクノセンターは「ものづくり創出支援」や「デジタルトランスフォーメーション推進支援」でそれらの挑戦を資金面から後押ししている。

 各社の取り組みを紹介する。(室蘭支局 星野 貴俊記者)

鉄のまちから技術発信2(2)遠田建設 大型施工事業特化パンフで市場開拓

2022年01月28日 15時00分

 遠田建設は1984年に創業。特定建設業として道や市の公共工事に携わってきた。登別市立鷲別小改築や道営であえ~るはまなす団地新築、室蘭地域でマンションや個人住宅建設などを幅広く手掛け、まちづくりのノウハウを蓄積している。

 市場開拓支援で進めたのは「大型施工事業に特化した会社案内パンフレット作製」。従来は個人住宅の施主を意識したカラー、21cm四方のサイズを使っていたが、これをカラー、A4サイズ、14㌻に大型化。エムツーカンパニー(本社・室蘭)に依頼し、2021年10月に500部を作製した。

パンフレットを手に意欲を見せる大森部長

 責任者を務めた大森俊哉営業部長は「かつては公共工事受注が8割を占めていたが、公共工事は減る。今後は法人や個人投資家を対象とした土地・店舗開発の割合を増やしたい」と話す。18年9月、現会長の長男である遠田耕治社長の就任を機に打ち出した方針だ。

 新しいパンフレットは自社の施工技術が伝わるように室蘭、登別市内で手掛けた多数のマンションの紹介にもスペースを割いた。札幌での商談などに使っているほか、自社のモデルハウスにも置いている。第1弾として満足のいくものができたという。

 大森部長は「今はネット社会。当社もホームページやインスタグラムで発信しているが、こちらが求める情報を全て見てくれるかは相手次第。それを補うものとして紙ベースのパンフレットは大事なツールになる」と話す。

 自社が主体となる店舗開発が道内でも進み、今後は学校の跡地利用などにも着目している。「コロナ禍で資材が高騰したが、個人投資家はまだまだ元気。予算を抑えたいという要望にも技術面でカバーできることを説明している」とパンフレットを活用した提案営業に自信を見せる。

 「仕事とは新しい事へのチャレンジ。いろいろな事に興味を示し吸収していくもの。現状維持は衰退につながる。立ち止まらずに常に前進する当社の理念を反映できた」と胸を張る。

 パンフレットをめくると1㌻目には社訓の「一、仕事だと思うな人生だと思え。二、禮儀正しくあれ。三、勉強せよ、一生勉強せよ。」を紹介している。


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