鉄のまちから技術発信

 製鉄、製鋼を中心とする室蘭港の産業基盤は、高度な技術力や研究開発力を持つ中小の製造業、建設業を集積させた。デジタル化の波など企業を取り巻く環境が変化する中、各社は技術開発や人材育成に積極的だ。室蘭テクノセンターは「ものづくり創出支援」や「デジタルトランスフォーメーション推進支援」でそれらの挑戦を資金面から後押ししている。

 各社の取り組みを紹介する。(室蘭支局 星野 貴俊記者)

鉄のまちから技術発信2(3)ESPERANZA ドローン、正しく使い強力なツールに

2022年01月31日 15時00分

 ドローンの可能性に魅せられた横山奈津江CEOが教育、販売、整備などを担う合同会社として2021年3月に創業したESPERANZA。創業支援の補助を活用し、サービスの充実を目指している。

 個人の趣味から産業用まで幅広く使われるドローン。高性能化が進み、搭載されたセンサーで自機の高さ、傾き、スピード、気圧などが瞬時に把握できる。手のひらに載る撮影用から、重さ60kgを超す農薬散布用まで多くの種類が登場した。

 「操作性も大幅に向上した。一見、簡単そうだが、操縦には安全のための正しい知識が必要」と強調する。法改正など制度面の整備が進む一方で、機器の仕組みに対する認識不足や整備不良に起因するトラブルは後を絶たない。「しっかり教育を受けて使い方を覚えれば強力なツールになる」と話す。

 講習会場にもなる自社オフィスにはフライトシミュレーター2台を常設。昨年は函館開建から佐々木組(本社・北斗)が受注したドローン講習業務のサポートで現地に赴いて講義もした。

オフィスにはフライトシミュレーターを設けている

 「エレベーター、エルロン、ラダーなど動かす舵の名称は航空機と同じ。講習では基礎力学をはじめ航空法や電波法なども学ぶ」。受講者は基礎知識の重要性を再認識するという。

 ドローンによる山岳遭難救助などを目的とする一般社団法人Japan Innovation Challengeの提携パイロットで、操縦技術は折り紙付きだ。同法人は昨年、上士幌町や十勝町村会と夜間の捜索支援サービスに関する連携協定を締結した。

 活躍の場が道内全域に広がる中で「今後はGPSが届かない管路内の点検など、さらに高い技術にも挑戦したい」と意気込む。

 かつて車のB級ライセンスを持ちレースに出場した。車のメンテナンスなど機械に明るく、好きなことを突き詰める性格で、17年にドローン検定協会の無人航空従事者試験マルチコプター1級に合格。18年、同協会の公認指導員資格取得を機に開業を決めた。

 「社名のエスペランサはスペイン語で希望。ドローンが空に上がっていくように、社会に羽ばたいていきたい」と話す。(おわり)


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