働き方の選択肢増やして
この冬は、記録的な大雪に見舞われています。会話の始まりには、時候のあいさつとともに、大雪の大変さをいたわる言葉が続く時期が続いています。
大雪は生活に多くの影響を与えます。鉄道や空路には、運休、欠航、遅延などが生じます。幹線道路では、渋滞により車が進まなくなります。物流も遅延します。実際、除雪・排雪の事業者は眠れない日が続いているとのことです。雪が降るのは毎年のことではありますが、個人レベルも含めて、どう対策すべきかと悩まされます。
ところで、一昨年春から流行した新型コロナウイルス感染症の対策として、移動を最小化したり、接触を減らす、いわゆる「新しい生活様式」が推奨されています。その実践例の一つに、テレワークが挙げられます。弊所のお客さまにも、会社の代表電話は常に留守番電話となっている企業があります。電話をかけると、自動音声で、電子メールで問い合わせるよう依頼されるのです。
オンライン会議は、以前と比べると、各段に一般的となりました。議員間の国際会議もオンラインで開催されている現在、新しい生活様式は少しずつ根付いているように感じます。
新しい生活様式は、災害や事業継続への対策にも活用できるようです。
先日の打ち合わせは、込み入った話となりそうだったので、対面で行う予定でした。ところが、その日は、低気圧の影響で前日から暴風雪に対する警戒が呼び掛けられている日でした。当日の朝、相手方から電話が入り、急きょ、その打ち合わせはオンラインで行うこととしました。荒天の影響を受けずに時間通りに開始することができ、安全に実りある会議となりました。
一つの目的を成し遂げるために複数の手段が存在することはよくあります。何かを伝えるにも電話、ファクス、書面、電子メール、SMS、対面に、昨今はSNSのメッセージ機能やオンライン会議が加わりました。それぞれ長所と短所がありますが、実際に実施してみないと分からないこと、体感でしか実感できないことはたくさんあります。
仕事の環境も同様です。本社のみで行うのか、テレワークなど、多様な働き方も認めるのか。一度実施してみると、その有効性が判断でき、より良い職場環境を作るための判断ができるようになります。投資が必要なこともありますが、従業員の安全、天候や交通の状況が事業へ与える影響を低減させる方法を検討すると、複数の選択肢を用意する必要性が見えてきます。
荒天時だけでもテレワークが可能となれば、いつまでも来ないバスや鉄道、交通渋滞により、従業員がいつ出社するのか分からないということも生じず、穏やかな世界が待っているように思われます。