愛与え顧客満足度向上を
一消費者として商品やサービスを購入するときは、どうしても販売員の対応の質が気になります。最小限の会話でも、対応した従業員が会社や提供しているサービス・仕事に対して愛を持っているかが感じ取れます。愛という表現はうさんくさく感じてしまうものですが、まだそれ以上の適切な表現を見つけられていません。
会社や商品を愛している従業員が対応すると、顧客としては、実際に購入した商品の価値以上のものを受け取れた気がします。一方、愛のない対応の場合は、せっかく購入した商品への思い入れも少し下がってしまうように感じます。私だけでしょうか。
これを消費者目線で見たものが、マーケティング用語でいうカスタマー・サティスファクション(顧客満足度)です。カスタマー・サティスファクションが向上すると、顧客のリピート率が向上します。口コミ等の効果により新規顧客も増加します。
それに加え、企業イメージも向上します。まさにいいことずくめです。そして、カスタマー・サティスファクションの向上が大切なことはBtoCの事業に限らず、BtoBの事業でも言えることです。
それでは、カスタマー・サティスファクションを向上させるためには何が必要なのでしょうか。
商品を購入する場面をもう一度考えてみましょう。顧客が気持ちよく購入することができるのは、販売者が愛のある対応をしてくれているからでしょう。愛とは「相手の幸せを想う気持ち」とも言われています。会社や商品を良いものだと思っている従業員が、顧客に対して、自社の商品を通じて幸せになってもらいたいと思うことで、カスタマー・サティスファクションを高めるのだと思います。
次に、どうすれば従業員は会社や商品を良いものだと思い、顧客に対して愛を持って接してくれるのでしょうか。
まずは良い商品を作り、それを販売員と共有することが必要です。そしてその上で、会社が従業員に対して愛を持って接することが大切だと思います。職場環境を整え、従業員とのコミュニケーションを大切にし、事業への貢献を適切に評価する。何をしても足りないように感じるところは、さしずめ恋愛と同様です。
従業員が業務環境に対する満足度を表す指標はエンプロイー・サティスファクション(従業員満足度)と言います。従業員がエンプロイー・サティスファクションを高めると提供するサービスの質が向上し、顧客満足度が向上することで利益の拡大が見られ、それを従業員に還元することでさらなる満足度の向上を見ることができます。
愛を与えると満足度が向上する。愛してもらうためには、まず愛さなければならない。分かりきったことのようですが、実践するのは難しいものですね。