ゴール設定し成功に導く
初夏は、運動会のシーズンですね。わが家の小学2年生の息子も、毎日、ジャージを着て登校し、運動会の練習を頑張っています。
ところが、ある朝、「学校に行きたくない」と言い出しました。というのも、運動会の種目であるかけっこで、いつも最下位であるのが嫌とのことでした。一度として走る競技で称賛を受けたことのない私には、痛いほど分かる気持ちでした。
運動会当日まで、十日しかありません。小学生向けのかけっこ教室に申し込むのは間に合わなさそうです。その週末に一緒に練習することを約束して、その日は学校に送り出しました。
さて、私自身は走るのが大の苦手です。学校での授業の他に走る練習をしたこともありません。とはいえ、無策でいるわけにもいきません。安易ではありますが、私が頼ったのはインターネットです。小学生が早く走るための勘所を調べます。簡単なコツから複雑な練習までありましたが、実践しやすく即効性のありそうなものに腕の振り方がありました。脇を締めて肘を曲げて走ることで、前後に腕を振る力を前への推進力に変えるようです。
さて、練習をする週末が来ました。まずは一緒に腕の振り方が大切であることをインターネットで確認しながら、簡単に練習します。
そして外に出掛け、走ってもらいます。私は、文明の利器、スマホで走る姿の動画を撮影します。二人で動画を確認します。やはり、腕はうまく振れていないようです。肘は伸び、腕は横に振っています。
あとは実践あるのみです。立ち止まって腕を振る練習をしたり、走っている動画を撮影して確認したりを繰り返しました。
練習を通じて、本人も腕を振る大切さに気づいたようです。走りやすく、速さも向上していると感じているようです。体はまだ動かし方をまだ覚えきれていませんが、あとは練習あるのみです。
週が明けた体育の時間でも、効果は実感したようで、かけっこに対する不満は口に出しませんでした。
運動会当日がやってきました。「肘を曲げて走るんだよ」と送り出します。かけっこで息子の順番が来ます。号砲がなります。肘がしっかりと曲がって一生懸命に振れているのが見えます。なんと二位に僅差の三位でした。本人も大満足で、来年に向けた意欲も見せています。
能力の向上のためには、適切な指導と適切な練習が大切です。では、適切な指導とはどのようなものなのでしょうか。今回の走る練習から分かることは、正しいゴールの設定、ゴールが必要な理由の説明、現状のフィードバック、成功体験の大切さでした。次は適切な練習の方法を研究しようと、私自身の成功体験ともなりました。