行政書士池田玲菜の見た世界

 アンパサンド行政書士事務所の池田玲菜代表が、行政書士の視点から連載するコラム。(北海道建設新聞本紙3面で、毎月第1木曜日に掲載しています)

行政書士池田玲菜の見た世界(20)能力向上へ適切な指導

2022年06月03日 09時00分

ゴール設定し成功に導く

 初夏は、運動会のシーズンですね。わが家の小学2年生の息子も、毎日、ジャージを着て登校し、運動会の練習を頑張っています。

 ところが、ある朝、「学校に行きたくない」と言い出しました。というのも、運動会の種目であるかけっこで、いつも最下位であるのが嫌とのことでした。一度として走る競技で称賛を受けたことのない私には、痛いほど分かる気持ちでした。

 運動会当日まで、十日しかありません。小学生向けのかけっこ教室に申し込むのは間に合わなさそうです。その週末に一緒に練習することを約束して、その日は学校に送り出しました。

 さて、私自身は走るのが大の苦手です。学校での授業の他に走る練習をしたこともありません。とはいえ、無策でいるわけにもいきません。安易ではありますが、私が頼ったのはインターネットです。小学生が早く走るための勘所を調べます。簡単なコツから複雑な練習までありましたが、実践しやすく即効性のありそうなものに腕の振り方がありました。脇を締めて肘を曲げて走ることで、前後に腕を振る力を前への推進力に変えるようです。

 さて、練習をする週末が来ました。まずは一緒に腕の振り方が大切であることをインターネットで確認しながら、簡単に練習します。

 そして外に出掛け、走ってもらいます。私は、文明の利器、スマホで走る姿の動画を撮影します。二人で動画を確認します。やはり、腕はうまく振れていないようです。肘は伸び、腕は横に振っています。

 あとは実践あるのみです。立ち止まって腕を振る練習をしたり、走っている動画を撮影して確認したりを繰り返しました。

 練習を通じて、本人も腕を振る大切さに気づいたようです。走りやすく、速さも向上していると感じているようです。体はまだ動かし方をまだ覚えきれていませんが、あとは練習あるのみです。

 週が明けた体育の時間でも、効果は実感したようで、かけっこに対する不満は口に出しませんでした。

 運動会当日がやってきました。「肘を曲げて走るんだよ」と送り出します。かけっこで息子の順番が来ます。号砲がなります。肘がしっかりと曲がって一生懸命に振れているのが見えます。なんと二位に僅差の三位でした。本人も大満足で、来年に向けた意欲も見せています。

 能力の向上のためには、適切な指導と適切な練習が大切です。では、適切な指導とはどのようなものなのでしょうか。今回の走る練習から分かることは、正しいゴールの設定、ゴールが必要な理由の説明、現状のフィードバック、成功体験の大切さでした。次は適切な練習の方法を研究しようと、私自身の成功体験ともなりました。


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