おとなの養生訓

おとなの養生訓 第233回「筋肉痛」 回復には血流増加が効果的

2022年06月13日 09時00分

 新型コロナ感染拡大は第6波が収束の方向となりました。ワクチン接種が広まったことと相まって、少しずつ社会的な規制は解除されました。学校では運動会の開催が復活し、一般のスポーツ施設の使用制限がなくなり、スポーツジムも再開されました。さらに、市民のスポーツ大会も徐々に再開され、コロナ禍による自粛でなまった体を鍛え直すチャンスが来ました。

 それまで、あまり運動していなかった人が、運動会などのイベントに急きょ参加すると、運動後に筋肉痛にさいなまれます。発生頻度がかなり高く、ほとんどの人が経験したことがあるトラブルでしょう。筋肉痛はなぜ起こるのでしょうか。

 昔は、運動によって生じる乳酸が筋肉内にたまって、神経を刺激して痛みを引き起こすのだと思われていましたが、現在の科学では完全に否定されています。乳酸は運動中に疲労する筋肉に、効果的にエネルギーを補給するために生じる物質であることが分かったからで、実際、乳酸は痛みを生じさせません。

 筋肉痛の原因は、けがとは言えない程度の小さな損傷が筋肉に起こった場合、これを修復するための反応が筋肉内で起こります。実は、これを炎症というのですが、この小さな炎症が起こると、炎症に関連した物質が生じて神経を刺激するようになります。

 こうして筋肉痛を感じるわけですが、この筋肉痛は、修復のための炎症反応が終わるまで続きます。炎症を止める消炎鎮痛剤の湿布などを使うと、痛みは和らぎますが、修復反応も止まるので、回復が遅れる恐れがあります。痛みをなるべく小さくして、修復を早めるには、別な方法が適しています。

 それは、筋肉への血流を良くすることです。そうすると修復に必要なタンパク質や糖分、酸素などが大量に供給されるので、修復が早くなり、痛みが取れやすくなります。

 一番効果的なのは、運動後なるべく早く、お風呂に入ることです。全身浴で5分以上湯船に漬かり続けるのがこつで、こうすると、筋肉への血流が増加します。血流を低下させる作用がある冷却はお勧めしません。

 血流を改善する筋肉のストレッチを運動直後に行います。曲げ伸ばしでなく、伸ばしたまま30秒保持すると、そのあと反動で血流が大きくなります。さらに、運動後に止まらないで、ウオーキングなどを軽くすると、血流が維持され筋肉痛になりにくいといわれます。お試しあれ。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 東宏
  • 古垣建設
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (3,046)
旭川大学公立化 名称は「旭川市立大学」に
2022年01月18日 (2,846)
安倍元首相亡くなる 本道への功績を忘れてはならない
2022年07月08日 (1,819)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,748)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (1,511)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第236回「コロナと換気」。外気を取り入れてウイルスを排除しましょう。

連載 旭大公立化
まちづくりの行方
new

旭大公立化 まちづくりの行方
23年の公立化を控え市内の不動産業者が反応、分校舎の立地にも注目が集まっている。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第21回「導入進む『メンター制度』」相談できる相手がいれば、経営者も自身を持って経営判断できるようになります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第22回「『CUDマーク』をご存じですか?」。すべての人にとって見やすい色情報の証です。