おとなの養生訓

おとなの養生訓 第248回 「チョコレート」 血圧低下、イライラ抑制も

2023年02月10日 17時19分

 もうすぐバレンタインデーです。バレンタインデーといえばチョコレート。実家がケーキやお菓子を扱うお店だったので、バレンタインデーの前には、チョコレートの売り上げが伸びて、それなりに忙しかった覚えがあります。手伝いに店に出て、近所の女の子にチョコレートを売るのが、とても恥ずかしかったですね。もちろん、当日、私の元にチョコレートなぞ一個も来ませんでしたが。

 チョコレートはかつて悪者でした。おいしいから子供が食べ始めると止まらなくなってしまい、ご飯そっちのけになるからだったのでしょうか。とにかく食べ過ぎは良くない、鼻血が出る、虫歯になる、眠れなくなる、太る、等々。まあ、罵詈(ばり)雑言ですよね。これらのいわば害とされるものは、全くと言っていいほど起きません。そんなに悪いものだったら、人がチョコレートを食べ続けられるわけがありません。

 最近は、むしろ、チョコレートが体に良いものであるという意見、報告が多くなっています。言うまでもなく、チョコレートの原料はカカオです。カカオにはカカオポリフェノールと呼ばれる成分がたくさん入っていますが、動脈硬化予防、アレルギー改善、肌老化予防の作用が報告されています。さらに、最新の研究では血圧低下、善玉コレステロール増加、慢性炎症を抑制する、といったより具体的な効果が示されました。

 一方、カカオにはテオブロミンという成分が含まれていて、これがリラックス効果を示し、イライラを抑制するといわれ、全体的には抗ストレス効果を示します。毎日健康に仕事を続けるには、うってつけの食品と言えそうです。

 もちろん、あまり大量に食べると、チョコレートに含まれている糖分や乳脂肪分の大量摂取につながるので、気を付けなければならないと思いますが、ご飯そっちのけでチョコレートばかり食べているわけもないので、普通に食べる分には心配ないでしょう。ただ、チョコレートはケーキなど他のお菓子と組み合わせることが多く、お菓子として食べ過ぎになる危険性がありますので、お気を付けください。

 最近はカカオの含有量を増加して、より健康志向になったチョコレートが発売になり、人気だとか。バレンタインデーをきっかけにチョコレート健康法を実践するのも手ですね。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • web企画
  • 古垣建設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,677)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,418)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (6,552)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,926)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,830)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第30回「職業的背景で変わる視点」。経営には慎重かつ大胆なバランスの良い判断が必要となります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。