習得した知識や技術を盛り込んだ作品を披露―。道立旭川高等技術専門学院は、25日まで旭川市宮下通11丁目にあるデザインギャラリー「蔵囲夢」で第21回修了研究作品展を開いている。訓練生たちは、2年間の職業訓練で習得した知識や技術を生かし、端材を活用したダイニングテーブルや演奏用の椅子など、思い思いの作品を作り上げた。
「最近は崩れそうになかった部分も壊れ始めている。直せないのは仕方がないが、今の姿を少しでも多くの人に見てもらいたい」。30年以上にわたって旧国鉄士幌線タウシュベツ川橋梁を見てきたNPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターの河田充代表は寂しさをにじませながらこう語った。古代遺跡を思わせる風貌と季節ごとに変化する景観の美しさを備えるこの橋は北海道観光振興機構や全国安全週間のポスターにも採用されてきた。観光客にも高い人気を誇るが、風化による崩壊は誰にも止められない。
北海道の豊かな自然や歴史、文化、産業などを次の世代に引き継ぎたい思いから生まれた北海道遺産。2001年の第1回選定25件の中に上士幌町の旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群がある。その姿から感じる歴史の重さと大雪山国立公園の自然と調和した景観は観光客からも人気だ。しかし建設から約80年が経過し橋の老朽化が深刻になっている。自然と調和しながら十勝の産業の歴史を雄弁に伝える橋たちを守ろうと地元住民らによる保存活動が動きつつある。(帯広支社・太田 優駿記者)