「新空間」をプロデュース
働き方改革やウィズコロナ・アフターコロナに備えた新しいオフィス空間が注目されている。オフィス家具・備品レンタル、買い取り事業を展開するコーユーレンティア(本社・東京)は、商材を貸し出すだけでなく、働く場のデザインや機能性、配置プランのプロデュースといった営業展開を強めている。小山田一己札幌支店長に事業展開を聞いた。
―コロナ禍で営業スタイルに変化はあるか。
音楽フェスや花火大会、マラソンなどさまざまなイベントに運営テント用のテーブル、パイロンなどをレンタルしていたが、コロナ禍で縮小・中止になったのは痛手だった。一方、飛まつ防止を目的としたパネル、検温器などを備えるのが当たり前になったことで、関連するアイテムの引き合いは強くなっている。
営業的な観点で見ると、新型コロナウイルスに対応した新スタイルのオフィスを提供できればと考えている。適度な距離を取れるようなレイアウトやアイテムを用いてパーソナルスペースを設け、感染対策と新しい発想を生み出す空間として活用される場をつくりたい。
―営業展開として力を入れていることは。
札幌支店としては、オフィスを中心に建物の改築や移転に伴うサポートに注力してきた。さらに、マンションについてもモデルルーム設置に伴う備品レンタルが主力の一つとなる。やはり再開発案件が多いことも理由に挙がる。
近年は病院の移転に関する情報を多く耳にするため、医療関連施設への営業を強める。弊社は医療機器から什器(じゅうき)、備品などを一括で取り扱い、買い取りにも対応している。不要品の片付けまでワンストップでサポート可能で、面倒な作業や費用などの負担を軽減できる。
移転先では什器、備品のコストを抑えたいという声は多い。新品だけでなくきれいにしたリユース品を導入するなど、少しでもコストを下げたいという病院側のニーズに応えたい。首都圏では病院に対するサポートを強めていて、札幌も新たな市場とみている。
―国による働き方改革の推進やコロナ禍でオフィス環境は変化している。
働き方改革により、カフェ的なスペースを盛り込むなど、さまざまなスタイルの商品を使ったオフィスが増えてきた。弊社としても、ただレンタルするのではなく、働く場のデザインや機能性、配置プランなど空間をプロデュースする「Workstyle Solution(WS)」というサービスを実施している。
今後は新型コロナウイルスの影響で、札幌では東京圏の企業によるサテライトオフィスが増えるとみている。ソーシャルディスタンスも兼ねた新しい空間をレンタルという形で提案していければ。
―建設業からの反応は。
東京の工事現場事務所では、大手ゼネコンがWSを採用したケースはある。今までの簡素な現場事務所のイメージから進化している。札幌市内ではJR札幌駅前再開発や北海道新幹線札幌延伸など大型工事が相次いでいるため、大きなチャンスが眠っているとみている。
(聞き手・武山 勝宣)
小山田一己(おやまだ・かずみ)1965年2月生まれ、八雲町出身。85年北海道建設工学専門学校卒。2000年にコーユーレンティアに入社し、茨城営業所所長、東京本社のRe営業部副部長を経て、21年1月から現職。