おとなの養生訓

おとなの養生訓 第145回「ラーメンの危機」 地震で横丁の人影減る

2018年10月12日 07時00分

 札幌のススキノは、世界的にも知られた観光地となっています。比較的安全といわれる日本各地の歓楽街の中でも、ススキノは安全度が高いという評価が定まっています。大体、深夜過ぎに若い女性のグループが楽しそうに歩いている歓楽街は他にないと思われます。東京や大阪からのお客さんがいつも感嘆の声を上げていました、「ススキノはいい街だ」と。人生の大半を札幌で過ごした私にとっても、ススキノは大事な街。人生の色々なことは、大抵、ここで経験し、教えられました。これは少し、格好つけすぎですね…。

 最近のススキノは、海外からのお客さんがたくさん訪れています。中国、韓国、フィリピン、南米の方々や、欧米の方も多く。ただ、いくら安全だと言っても、深夜に子供連れで歩いているのを見ると、ちょっと心配になりますが。

 そんな賑わいを見せていたススキノも、先般の地震で、大打撃を受けました。停電でお店は開けず、食材がダメになってしまったお店もたくさんあったと聞きます。「どうせダメになるなら」と、停電のさなかに料理をふるまって、みんなを勇気づけた立派なお店もたくさんあったとか。停電が回復した夜には、私もススキノ復活を皆で盛大にお祝いしたものです。これで、大丈夫だと。

 でもやはり、復活は道まだ半ばの様です。なんといっても、ススキノのラーメン横丁に人影が減ってしまっているのです。なじみのお店も静かな雰囲気。いつでも座れます…。確かに、地震前まで、ラーメン横丁はアジア系のお客さんでにぎわっていました。ラーメンは、中華料理に源を発するだけに、アジア系のお客さんには、とっつきやすいメニューですね。日本が誇る世界的な発明品である、インスタントラーメンを知っている人たちだから、なおさらなのでしょう。

 地震以降、そのお客さんたちの足が、明らかに遠のいているのです。そこで、なるべく顔を出すようにしているのですが、なじみの店の行く末が不安でなりません。でも、毎食ラーメンを食べる訳にもいきません。みなさん、ここは一念発起、ラーメンを食べにススキノに行こうではありませんか。ラーメンだけでなく、色々な業種で厳しい状況であることも、聞こえてきます。今度は、私たちがススキノを元気づけましょう!

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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