道内市町村で市役所や役場庁舎の建て替えに向けた検討が進んでいる。2020年度は根室市や稚内市、網走市などで設計に着手。小樽市や厚真町などは現在検討を進めており、21年度末までに方針を示す予定だ。一方で、耐震性が不足しているにもかかわらず、予算不足などから具体的な見通しが立たない庁舎も多い。近年、大規模地震が頻発していることから、早急な対応が求められる。
十勝管内で、施設整備の財源にふるさと納税の仕組みを使ったガバメントクラウドファンディング(GCF)を活用するケースが増えている。6月にリニューアルオープンした池田町のワイン城改修でも総事業費8億8000万円のうち3200万円の調達に成功。現在は4町が募集中だ。改修に至る背景や地域創生の思いを伝えて寄付を呼び掛け、返礼品として地元を代表する特産品や自治体ならではの貴重な体験を用意している。
今後の大型ハード事業に影響の恐れも―。
2020年度末で期限切れを迎える過疎地域自立促進特別措置法(過疎法)に代わる新法案について、年明けにも通常国会へ法案が提出される見通しだ。新法案により、空知管内では長沼と月形の2町が過疎地域の指定を外れる可能性がある。いずれも、今後計画予定の大型施設整備に過疎債を充てる見通しだったが「指定を外れることになれば、新たな財源の確保が必要になってくる」と危機感を募らせている。
胆振、日高管内の合計4市14町の市役所、役場庁舎の建て替えに向けた検討状況が、本紙調査によりまとまった。西胆振地域では登別市が建て替えの実施設計に着手し、東胆振地域では厚真町と白老町が庁内で対応を検討中。一方、日高管内の自治体では今後想定される巨大地震に伴う津波への対応が大きな課題となっている。