生コンの値上げが道内で広がっている。最大市場を抱える札幌生コンクリート協同組合が4月から1m³当たり2200円の値上げを打ち出し、全道市況の底上げを図ったほか、輸送費や原材料費などの上昇で各工場が自助努力を超えるコスト高に置かれているため。世界的な経済環境の変化などからセメント各社も2022年1月以降の値上げを発表していて、生コン価格の上昇は新年度に入っても続く気配。鉄筋や型枠用合板も値上がりしていて、RC造の物件にとっては立ち回りの難しい局面になっている。
道内の中古マンション価格が上がっている。東京カンテイによる直近の調査結果を5年前と比較すると、人口増加が続く札幌市内だけでなく近郊の市、また函館、小樽といった人口減少市でも大幅な上昇を見せる。中古物件が注目される背景には、高騰する新築よりも価格が手頃なことや、高齢化社会の進行に伴うライフスタイルの変化がありそうだ。
道東6市の2021年度上半期(4―9月)住宅着工動向が本紙集計でまとまった。6市の新設は前年度同期比58戸、4.1%増の1471戸だった。減少傾向から一転し、4年ぶりに上回った。持ち家は過去5年間で最多の791戸だが、貸家は最少の554戸と明暗が分かれた。新設に含まれない増改築は80戸で3年ぶりに増加となった。持ち家は子育て世帯の需要が底堅い一方、今後は新型コロナウイルスの感染状況や建築資材高騰が鍵を握る。
建設資材価格の高騰に収束の気配が見えない。国土交通省がまとめている主要建設資材需給・価格動向調査の推移を見ると、緩やかに上がり続けてきたH形鋼や木材の価格動向は6月以降、上昇感が一層強まった。連動して需給動向の逼迫(ひっぱく)感も数値に表れている。実際に公営住宅など、市町村の公共建築工事に影響を及ぼした事例も見られ、2022年度予算案の編成時期を迎える中、今後の事業執行への影響も懸念される。(本文と写真は関係ありません)
原油価格の高騰でガソリンや灯油、ストレートアスファルトといった石油製品が軒並み値上がりしている。ガソリンの全道平均価格は1日現在で168・6円と7年ぶりの高値にある。灯油の販売価格も3年ぶりの3桁台に突入。道路舗装で使うストレートアスファルトは春先や10、11月と値上がりしたほか、12月も価格上昇する見通し。工事業者の適正利益を圧迫する要因となりそうだ。