生コンの値上げが道内で広がっている。最大市場を抱える札幌生コンクリート協同組合が4月から1m³当たり2200円の値上げを打ち出し、全道市況の底上げを図ったほか、輸送費や原材料費などの上昇で各工場が自助努力を超えるコスト高に置かれているため。世界的な経済環境の変化などからセメント各社も2022年1月以降の値上げを発表していて、生コン価格の上昇は新年度に入っても続く気配。鉄筋や型枠用合板も値上がりしていて、RC造の物件にとっては立ち回りの難しい局面になっている。
建設資材価格の高騰に収束の気配が見えない。国土交通省がまとめている主要建設資材需給・価格動向調査の推移を見ると、緩やかに上がり続けてきたH形鋼や木材の価格動向は6月以降、上昇感が一層強まった。連動して需給動向の逼迫(ひっぱく)感も数値に表れている。実際に公営住宅など、市町村の公共建築工事に影響を及ぼした事例も見られ、2022年度予算案の編成時期を迎える中、今後の事業執行への影響も懸念される。(本文と写真は関係ありません)
2021年度上半期(4―9月)の道内生コン出荷量は官民合わせて191万2092m³で、前年度同期より3%多かった。後志や富良野、留萌などが前年度実績を上回った。最大市場の札幌は56万9757m³で13%上がったが、昨秋に員外工場が組合加入した効果が大きく、実質は微減とみられる。