地方自治体が、特定プロジェクトを実施するため共感者から出資を募る「クラウドファンディング(CF)型のふるさと納税」が道内でも広まっている。各自治体のプロジェクトはソフト事業が多いが、現在募集中のものでは白糠町の札幌遠友夜学校記念館建設募金などハード整備につながる事業も目に付く。過去には根室市が春国岱(しゅんくにたい)保全で1億円以上集めた成功例もあり、人口減少などを背景に自治体財政が逼迫(ひっぱく)する中で建設事業を推進するための新たな資金調達手法になるか注目される。
十勝管内で、施設整備の財源にふるさと納税の仕組みを使ったガバメントクラウドファンディング(GCF)を活用するケースが増えている。6月にリニューアルオープンした池田町のワイン城改修でも総事業費8億8000万円のうち3200万円の調達に成功。現在は4町が募集中だ。改修に至る背景や地域創生の思いを伝えて寄付を呼び掛け、返礼品として地元を代表する特産品や自治体ならではの貴重な体験を用意している。
音更町は、2022年4月開業を目指す道の駅敷地内に、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の世界観を再現した施設を整備する。躯体と外構は道の駅整備を進めるヴェスタおとふけグループ、設計と内装はNHKアート(本社・東京)が担当し、躯体の工期は21年6月から11月を見込む。総事業費は6500万円で、うち5000万円をふるさと納税クラウドファンディング(CF)で資金調達する。